世界でいちばん優しい音楽
」のレビュー

世界でいちばん優しい音楽

小沢真理

最終巻のあとがき必読。

ネタバレ
2018年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一巻の1話目もいい話だったんだけど、シングルマザーの菫子がお客さんにプロポーズされた時、高校生ののぞみが「私のこと勝ってに産んだくせに」って言った。次からは菫子が皓と出会うシーンからの物語で、物語が進むほど、こんなに愛情たっぷりの暖かい親子関係で育ったのんのんがいくら反抗期とはいえ1話めに言ったセリフがでてくるのが不思議でたまらなく…最終巻のあとがきを読んでやっとスッキリ。

どうやら1話めは短編読み切りで描いたらしく、物語は1話めとはつながってないようです。小沢さんも最後に無理矢理、話をつなげたみたいですね。でもね、これで良かったと思います。たぶん他のただの恋愛だけを描いた軽い漫画ならつながってない部分が気になるけど、この話はやっぱりこれでよかったー。

長い話でゆっくりと話が進むので、途中とばして読みたくもなりますが、でてくる登場人物のことは丁寧に掘り下げるので深いです。そしてまた登場人物が多いのよ…。

これはライバル出現とかやきもちやいたりする単なる恋愛じゃなくて、一言で言えばスーの愛情物語。好き。の表現よりも愛してる。がしっくりくる。

天涯孤独でお金もない、シングルマザーの子育ては余裕なくてギスギスっていうイメージ。こんなにあったかい愛情をかけられるのか?って途中思ったけど、聖良ちゃんの家庭のシングルマザーを対照的にだすことで、スーは愛情たっぷりに育ったから、これでいいんだと納得できた。
豊上さんも若い時に色々あって苦労したことを思うと、2人のハッピーエンドが最高に嬉しい。
たぶん子どもだけが全てじゃないってことをモーリを通して伝えたんだろうけど、やっぱりモーリもいつかママになれるといいね。
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