牙の魔術師と出来損ない令嬢
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牙の魔術師と出来損ない令嬢

小桜けい/蔦森えん

ヒロインにベタ惚れなヒーロー

ネタバレ
2018年10月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 誤解からすれ違いを生んだりしますが、ヒーローが常にヒロインにベタ惚れでデレデレするのを隠しもしないので、安心して読めました。誤解もすぐにとけるし。生い立ちから秘密の多いヒーローは孤独に生きてきたけれど、ヒロインと出会いヒロインの言葉に救われます。同じく心に傷を負っていた彼女の言葉だからこそ胸に響いたのだろうと思う。両親や周囲の人間たちから魔力なしと蔑まれ、理不尽に襲われ、それでもヒロインの芯は強く、優しく聡明です。ラストの方で、これからもたくさん嘘をつく、だけど本当にあなたを愛している、と苦しげに言うヒーローに「あなたが必要だという嘘ならば、私はいくらでも快く騙されます」と返したヒロインに感動しました。嘘といっても不快になるようなものではありません。出生など、知られればヒロインが危険に晒されるようなことであり、そりゃ言えないよなぁと思う。何より嘘をつくこともあると言うヒーローは誠実だなと思いました。愛し信頼し合っている二人が本当に素敵でした!それからヒーローヒロインの関係だけでなく、ヒロインと双子の妹ベリンダの関係も良かった。ベリンダは勝ち気で活発でとてもいい子。こういうお話の時には姉妹は仲が悪かったり親と一緒に蔑んだりするのですが、とても仲が良いし、姉が傷つけられたら怒り狂うとても姉思いな子です。それとヒーローと親友エミリオの二人の友情も良かったです。登場人物が皆魅力的でストーリーをより面白くしてくれました。
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