紅匂ふ
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紅匂ふ

大和和紀/岩崎峰子

京都の花街を覗き見る

2018年10月6日
ヒロインは京都祇園の舞妓さん。実話を漫画化したものですね。普通の人にはなかなか触れる機会のない舞妓さんの世界を観ることの出来るお話だと思います。作品の中にありますが唄に踊りに三味線に茶道や華道香道など昔の教養を存分に投資され極めた存在でありながら「しょせん芸妓になるくせに」と見下されもしうる存在なのが寂しいです。あんなに素敵な花のような存在なのに基本男の金なしでは咲けないというのがもったいないというかなんというか、そもそも男の「遊び」ってなんやねん、ふざけてないかーと悶々湧き上がってくるのはフランス革命以降の近現代の法の感覚を知って来ているからでしょうか。以前と比べれば水揚げなどの悪習(とも言えないのでしょうか)はないのでしょうが花街が男女の清濁併せ呑む幽玄の世界なのはこれからも消えることはないのでしょう。
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