このレビューはネタバレを含みます▼
ヒーローがまさにソーニャらしいキャラというのではなく、ヒロインに纏わる隠された真実の方がまさにソーニャらしい歪んだ世界です。ヒーローはヒロインの幸福の為にそれを全て覆い隠し、優しい嘘の世界を作り上げる。伏線もあり先の読める展開ではありましたが、ヒロインの出生に関しては予想の上をいきました。私はあまりヒロインを騙したり嘘をつかれるのが好きではないのですが、このお話ではそれがヒロインにとって最善であることが分かるので、不快な気持ちにはなりませんでした。むしろヒーローの深い愛情と狂おしいほどの恋情を感じられ、ヒーローよくぞここまでやったなと感嘆しました。それに基本的な部分、ヒロインを想う気持ちやヒロインにしか反応しない下半身云々など、誠実な部分には全く偽りはないので安心して読めたというのもあります。幼いころから辛く苦しい環境にあり、理不尽に幸せも権利も奪われてきたヒロイン。それをそばで見続けてきた乳兄弟であり護衛騎士のヒーロー。激怒し、奪われてきたものを全て取り返す、と行動するヒーローがとてもかっこいいです。彼女のことだけを想い、愛し、守ろうとしてくれるヒーローの存在こそヒロインの幸福だろうと思う。まぁヒロインを幸せにするのは自分でなければ許さないという執着ぶりと独占欲はすごいですが、そこがまた良い。徐々にシリアスな部分が多くなってきますが、中盤のヒーローの童○云々のヒーローヒロイン二人の会話には笑ってしまいました。よく考えたら同い年の二人だから、ヒーローも若いんですね。ラスト二人の本当に幸せそうな姿が見れて良かったです。他キャラ、ギスランや兄王子、アレックスも好きでした。とても面白かったです!