令嬢鑑定士と画廊の悪魔
」のレビュー

令嬢鑑定士と画廊の悪魔

糸森環/宵マチ

すごく面白い

ネタバレ
2018年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公二人がとても魅力的。個性的で面白い。美しいけど目も表情も死んでる引きこもりで病弱なヒロインと、悪魔のくせにすっかり世話焼き過保護な従僕になっているヒーロー。二人とも感情は全く顔に出ないのに、思ったことが全部口から出てくるから面白い。飾らず素直なものだから、辛辣な言葉や罵詈雑言がぽんぽん出てくるし、そんな二人のやり取りに何度も笑ってしまった。絵画に潜む悪魔を見つけたいヒーローと、それを見つけることが出来る目をもつヒロイン。悪魔を見つける為に二人は契約しますが、徐々に近付いていく二人の心の距離にニヤニヤしてしまいました。表情筋死んでるし淡々とした態度だし甘さの欠片もないように感じるのに、交わしてる二人の会話だけを見ると、こちらが恥ずかしくなるほど互いに特別に思ってるのが分かる。特に二巻からは、想いが明確になってきて甘さが増します。ヒロインに恥ずかしげもなく、あなたが大事なのだと言葉にされ、悪魔のくせに驚いたり慌てたりと翻弄されるヒーローが面白かった。ヒーローのヒロインへの想いもまた言動に滲み出てきます。過保護度もどんどん上がる。二巻のラスト、求婚の場面のはずなのに、二人らしいやり取りで笑ってしまいました!何度も読み返したくなるほどナイスコンビでナイスカップルな二人。絵画に絡んだミステリーがこの作品の基本の流れですが、それも緻密なストーリー構成で読み応えがある。ミステリーとラブのバランスも良かった。主人公二人以外のキャラも素敵でした。ヒロインの家族、特に母親が面白くて好き。とても素晴らしいお話。もっともっと読みたかったなぁ。
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