愛人と逃避行(2)
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愛人と逃避行(2)

荻丸雅子/ルイーズ・アレン

良かった。冒険心に乗せた恋心の発展的結末

2018年11月3日
プロポーズは男性からでないと(HQでは特に)、と思う人は多いし、肉食系ヒロインが好かれていないレビューも読んだことがある。
だが私は、その自由な意思表明が女性からあってもいいと思うし、この話のように、常に女子発信の展開もあっていいと思うのだ。
勿論古式ゆかしい、膝を折っての恭しげなブロボーズシーンだって大好きである。

強い意思や勇敢さを持って、大公妃としての使命感も責任感も高いヒロインが、自分をかなぐり捨てるほど、好きな人に巡り会えて告白などしてぶつかる様は、本当に素敵なことだと、読んでいて心から思う。立場は関係ない。人を好きになった。シンプルにそれだけと思うから。
相手に言ってもらうのを当たり前とするのは女性のずるさ、傲慢さも何処かあると思うから。
それでも公爵家の息子とは良かった。そこは懸念の無い設定、ストーリーの方、如才ない。

玉砕、これもまた、HQ的に珍しい絵面で却って面白さが倍増した。
本当にヒロインは勝負所で常に全力投球していてかっこいい。突撃(?)成功で痛快気分になり、勝ち戦にぼろ負けで傷心、凄く素敵なラブストーリーだ。頑張って生きているね、と、ひたすら好感。

いつものHQに飽きたら、これはお薦め。

長く関心を持っていて、やっと読めて中身には大満足したが、表紙絵は損している。
かなり思い切った二人の配置が、スマホ画面で小さいゆえに何を示しているか、良くわからなかった。全身ではなく、足は不要だったと思う。そうすれば絵が、どれが誰の顔でどこまでが手なのか、二人の身体の向きがクッキリしたかと。それとも色みの選択、白が強い配色の関係なのか。
他のHQマンガより人物のスタイルの中に占める顔の比率が高めなので、表紙絵の二人のポーズが顔から下との繋がりが判りにくい。他の作家先生にない大胆な絵なのに、意図が伝わり辛くて非常に勿体ないことになっている。
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