月の欠片
」のレビュー

月の欠片

佐々木禎子/麻生ミツ晃

献身愛

ネタバレ
2018年11月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めての作家さんでしたがタイトルと表紙絵に惹かれて購入。私的には受けが目覚めてからの2人のあれこれより、眠り続ける受けのそばで後悔したり懺悔したりしながら大人になっていった攻めの切ない描写の方が強烈です。早く起きて欲しい笑いかけて欲しいと信じてもいない神様に8年間も祈り続けた攻めの想いが切なくて、読むのが辛いほどでした。多感な時期を眠ったままの無抵抗な受けのそばに居続けた事で攻めの独占欲は異常なまでに強く育っていったのかもしれません。2人が言葉や想いを伝え合うシーンでは"星の王子さま"という童話がとても効果的な使われ方をしており、攻めの気持ちに童話の中の言葉を使って応えるシーンが印象的です。攻めを受け入れたのは単に情愛からで、決して恋愛感情ではないようにも思えますが、これからのたくさんの時間を共に生きたいと願うラストがよかったです。
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