腹へり姫シリーズ
」のレビュー

腹へり姫シリーズ

ひずき優/加々見絵里

面白くてサクサク読める

ネタバレ
2018年11月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ストーリーもキャラも個性的で面白く、あっという間に読んでしまいました。ヒロインは呪いにより常にお腹が減っていて、お腹は鳴るわひたすら食べてるわ涎を垂らすわ、の斬新な設定の女の子です。でもそれが可愛い。そして自分の食料事情のせいで国や民に迷惑をかけていることに本当は悲しんだり落ち込んだりしているのに、それを表に出さず明るく振る舞う姿は健気でいじらしいです。 そんなヒロインに想いを寄せているのが近衛騎士隊長のヒーロー。自国を失い、ヒロインの国に保護された時は脱け殻のようになっていたけれど、ヒロインの前向きな明るさと誰にも悲しみを見せようとしない健気さに惹かれ、生きる気力を得ます。真面目でハイスペックなヒーローだけど、頭の中はヒロインの為にいかに食べ物を集めるかでいっぱいです(笑)そんな二人のラブコメ。国王、王妃を始め、周囲の人たちも、国民もヒロインを悪く言う人などおらず優しいので安心して読めました。というよりコメディ要素が強いので、シリアスな場面のはずなのに笑えるし、重くはなりません。魔女に操られ意識を奪われていたヒーローが、愛の力ではなく、ヒロインに食わせねば!という使命感によって我に返ったり、心の想いが擬音になって出てくる魔女の呪いで、ヒロインに見つめられてきゅんと響いたり、他の男を褒められてどーんと盛大に鳴り響いたりと微笑ましくて笑ってしまいます。とても可愛いお話でした。続きがあるのかな‥両想いではありますが、完全にひっついたわけではないし、ヒーローの自国の問題も片付いていないし、ヒロインの腹へりの呪いもとけていないので、ちょっと続きが気になりました。何より面白かったのでまだ読みたいです。
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