午後五時の誘惑
」のレビュー

午後五時の誘惑

リンダ・グッドナイト/立花実枝子

父親になりたかった男性が父親になる物語

2018年11月15日
自分の子どもでも父親になりきれない人はいます。
血を分けた我が子だから、親になれたと母(私の)は言いました。
ハーレクインはいい父親になる人材が一杯居るからいい。それも、自分の子どもじゃなくても可愛がって人間が出来ていて涙が出てしまう。

ホンワカ優しいヒロイン、本当に広報室で働けてるのが不思議なくらい、アメリカにもこういう人いるんかなぁと、競争社会イメージのギャップを思ったり、そんな自分の感想を恥じたり、お話だからだわと納得させたりして読みました。

彼の正義感も、誠実さも、それなのに距離を取りきれずのめり込む彼の温かさも、全てが素晴らしい。

奥さまになってからも、ヒロインは彼をハラハラさせてしまわないかなぁと、二人のその後にまで心配してしまいます。

彼がヒロインの傍にうってつけの男性で、そばに居てくれて本当に良かったと心から思って読みました。

少し左右の目が気になってしまう絵が数箇所ありました。

既に高い評価が集まっていたので、試し読みしなくても、とも思ったのですが、やはり確かめてからと思い試し読みしました。却って、他の作品の妊婦さんが幸せになる話に似ていると感じて、芳しくない第一印象から始まってしまいました。
絵も派手ではなく、男性のビジュアルも私の好みではありませんでした。

けれども、ほのぼのとした二人の暖かい世界が絵から滲み出ていました。
妹さんの絶妙なタイミングを捉えた「家族」写真は確かに多くを物語って素敵でした。
一度は躊躇したお腹へのタッチも、自然な流れの中で母子ともに慈しむ彼のキャラがイヤらしくないのです。こういうシーンは、この胎動を巡っての、二回の対照が、浜辺で二人の空気を掬い取って劇的です。
派手な喧嘩も、キリキリとする言葉のきつさもありません。彼のお陰で最高に胎教の良い環境で赤ちゃんは産まれてくることでしょう。そんなことが、しみじみ幸せをヒロインの気分になり代わって味わえます。

こんな素敵な人に出会いたかった、、、良き夫にも良きパパにもなれる、キチンと社会人してる男性と家庭を築けて、つくづく羨ましくてため息の出るお話です。それをパーフェクトと言わずして誰をパーフェクトと呼ぶんですか!? 彼の謙虚さが、出だしの場面で彼のキャラを映し出します。
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