気高き王宮騎士団長の秘めやかな執愛
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気高き王宮騎士団長の秘めやかな執愛

泉野ジュール/芦原モカ

一途な愛

ネタバレ
2018年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 狂おしいほどに愛しているのに、触れられずにじっと耐える男を描くのが本当に上手いですね!「烈火の騎士と最果ての恋人」ですっかりファンになりました。今回は不思議な力が使える導魔士 ラスによって、ラティアは3年前に突然結婚をやめて自分を捨てた元恋人ニールの元へ瞬間移動させられ、救って欲しいと懇願されます。しかもラスはもうこの世にいない人物で、ニールを救いたくて、死して尚その力を使ってラティアと会話しているという…。訳がわからないまま、再会したニールは昔の王宮騎士団長の頃とは全く違う、円形闘技場の見世物剣闘士になっていました。ニールはなぜラティアと別れたのか、なぜここに居るのか、ラスは何者なのかが徐々に明かされていきます。ニールは突然現れたラティアを拒みながらも、ラティアに男性の影が見え隠れすると激しく嫉妬します。突き放すニールと、まだ愛していることを自覚するラティア。いよいよ強く突き放され、もうダメかと思ったラティアがラスと話していると、誤解し嫉妬に狂ったニールにラティアは抱かれてしまいます。激しく、優しく、ニールはラティアと愛し合い、自分の思いと、3年前のことを少しずつ話し始めます。この辺りのニールがラティアを愛しく思う気持ちと自分の宿命や罪との心のせめぎ合いが、本当に切なくて、上手いなぁと思います。クライマックスは意外な展開で面白かったです。実は沢山の助けてくれる仲間がいたことにも感動しました。そして何よりニールの一途な愛に胸キュンしっぱなしでした。
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