やさしいやちよ
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やさしいやちよ

三崎汐

表題作+3作品 デビュー作含む初期作品集

ネタバレ
2018年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作+描き下ろし、短編+描き下ろし、猫シリーズ3作+描き下ろし、短編(これだけちょっとダーク)収録。可愛くて優しくて切なくて苦い、作者買いしている三崎汐先生作品。デビュー作を含む初期作品集です。やわらかな絵と、チリチリと心に刺さる言葉、葛藤の中からチラリと見える光のようなストーリーが好き。絵はあっさりめで独特の雰囲気があります。Hは一瞬程度なので、そちらは期待せずに。今作では猫シリーズがお気に入り。その勇気と強さが愛おしい。★4.5

「やさしいやちよ」
転校生の秋野は、やっかみから遠巻きにされていた。そんな中クラスメイトの八千代だけが声をかけてきて…。八千代と関わりながら何かが芽生え変わっていく秋野。八千代の真意が切ない。見極める目を持つ秋野に惚れちゃうな。
「かわいくないやちよ」描き下ろし8ページ
妹の誕生日。どうしてかわいくないかに、思わずクスッとなる。

「あをいあらし」
学級委員長・山口と転校生・吉森のお話。ずっと自分の気持ちを押し殺してきた委員長。誰かを想うことは尊いこと。嵐の後は、きっと清々しい。
「とをいあらし」描き下ろし8ページ
吉森が好きだった高校教師視点のお話。

「猫をさがして」
卒業式が終わって春休みに入り、偶然出会った沢木と高村のお話。ずっと高村が好きだった沢木は咄嗟の勇気で高村に猫さがしをお願いする。猫をさがして見つけたものは…。
「猫よりかわゆい」
遠距離になった沢木と高村。
「猫と手とって」
高村のいる京都に会いに行った沢木。高村視点。Hは朝チュンで超あっさり。
「「猫」のおまけ」描き下ろし4ページ
まさるがへんだ/まさるのおふる/ごたいめん
沢木弟の愛が嬉しい、おまけ話。

「パンドラの箱」
クラスでいじめられているクドーと、いじめグループの望月のお話。ちょっと後味がブラックな短編。まさにタイト通り。パンドラの箱は開けちゃ…。そしてこちらの二人はコミックス「2年3組の面々」にも登場します。

「あとがき」描き下ろし1ページ
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