テキサスの真珠(1)
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テキサスの真珠(1)

ルース・ランガン/三浦浩子

学校設立の夢

2018年12月9日
危なっかしいと思われることでも、強い意思を貫いて走り出して行ったヒロイン。
目の前の困難に誰もが、当初は家族さえもがホントにやるの?、といった戸惑いの中、一歩一歩進めると協力者理解者も現れ、反対していたカルも出来る限りの手助けをー。

二人が意識しあうプロセスがロマンスの瑞々しい開花を予感させてワクワクする。
と同時に、生半可なレベルではないと想像できる悪人がどす黒い災いの爆発を仕掛けてくる。

教育の開始は、希望の始まり、実りの前の種蒔きとなるが 、この時はヒロインは開講してからただ夢中で毎日を過ごして行く。

いったいどんな経過でこの4姉妹がベースとなる一体感を築いたのか、このストーリーには触れられていないが、海街diaryみたいだと思った。

ヒロインが教室を準備し、町の人々に声をかけ、協力者も得て前に進む行動力がよく出ている。絵が丁寧で、私がこれまで読んだ三浦浩子先生作品史上最も手が込んだ黒線や装飾感が、重厚な感じの仕上がり。相当時間をかけて制作されたのではないだろうか?

その非常に気合いの入った仕事ぶりが、作品の格調を引き上げている気がする。

セットで読んだが、後編も読むつもりならセットを勧める。細やかな絵が印象的な1巻目はヒロインの教師として燃える日々がメインで、戦う相手は2巻目から見ればかわいいほう。
2巻目の完結巻は、中身がより濃くなり、より逞しく困難に立ち向かうヒロインの、恋にも心の悪い人間にも逃げない姿で、価格を考えるとお得感一杯。

それをセットで更に割安とは、ひどい出来の多いHQで均一値段もかわいそうなのに、より申し訳なくなってくる。
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