このレビューはネタバレを含みます▼
小説家 十識の自宅に監 禁されるフリーター 唯。外出制限以外は快適な同居生活。
人との付き合い方がわからない十識が、他人と同居するストレスから絞り出す小説は優しい話で手の届かない未来らしい。
一方の唯は過去に大切な友達が知らないうちに亡くなっていて、手を差し伸べられなかった後悔があって。
互いにどう関わっていいかわからないながらも、鍵穴が自然に合う様な展開は時に胸を締め付けられホロリと来ました。
嫌われたくないと思える様になった十識と傷つけたくないと思う唯の二人からは、ただの監 禁同居では得られなかった明るい未来が感じられて、余韻の残る素敵な話でした。
良い兆しを優しく見守る悟さんと家出娘 心の存在も良かったです。初読み作家さんですが、心にスッとくる表現がとても気に入りました。