僕の名前は「少年A」
」のレビュー

僕の名前は「少年A」

君塚力/日丘円

おすすめだけど、すごく人を選ぶ作品

ネタバレ
2018年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく人を選ぶ作品だと思う。作中では一貫して「犯罪者に対する世間の冷酷さ」を描いていて、題材となった事件の犯人を擁護しているように見えなくもない。現実と切り離して、こういう見方も出来るという許容がないと、面白い面白くない以前のところで、ギブアップすると思う。
技術的なことで言えば、主人公は、細かな心境の変化まで描かれ、感情移入できるのに対して、他の登場人物の存在が記号的で、主人公に干渉する何かでしかない。感情移入できる主人公が、何かに一方的にいたぶられ、立ち直り、またいたぶられ。この繰り返しと言っても過言ではないと思う。
ただ、それは現状の話で、残された伏線を回収した頃には、全く違った印象を抱く作品になっているかもしれません。ハッピーエンドではないかもしれないけど、1つくらい救いがあってほしい、そう願うような作品です。
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