このレビューはネタバレを含みます▼
恋する相手の心を知りたいと思うのは誰もが持っている願望で、無口な人が相手では尚更知りたいと思うもの。その望みが叶った時、どんなことが起こるのか興味津々でした。アイリーンは国王の提案で騎士団長のオルキスと結婚します。誉れ高い騎士団長だけれど無愛想で、アイリーンは仲良くしたいと歩み寄ろうとしますが、なかなか上手くいかず。そんな時に人から譲り受けた秘密の丸薬を飲みます。それは相手の心の声を聞くことが出来る薬でした。無口で無愛想で無表情なオルキスの心の声は、オルキスを知るための貴重な情報源であり、アイリーンは勝手に人の心を覗くようなことをしてはいけないと思いつつも、つい聞いてしまいます。オルキスの心の声はアイリーンを賞賛し、アイリーンを求めるようなことばかり。アイリーンは恥ずかしがりながらも嬉しくて、望みに応えようと頑張ります。薬が無くても気持ちは通じるはずですが、どうすれば通じるのか分からなくなってしまったり、薬があればそれに頼りたくなる心の弱さもきちんと書かれていて面白かったです。探り合う二人は気持ちがくっついたり離れたり忙しかったですが、エロもあり良かったです。そして改めての騎士の誓いに胸キュンでした。心の声がだだ漏れなんて恥ずかしすぎるけど、無愛想なオルキスが笑うなんて、口にする言葉より、心の声の方が相手の心に届くようですね。最後にはこのままスルーかと心配していた出会いのシーンにも触れられていて、目一杯楽しめました。