美しい標的2
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美しい標的2

リンダ・ハワード/星合操

結婚を巡る幸福論、勇気を持つこと

2019年1月6日
2巻目は1巻目に充満していた霧が払われることメイン。もうひとつ新たな乗り越えるべき壁があるが。社内のとばっちり人事に遭った人たちあっての椅子の用意があった。
不信の底に落とし込んだ為の関係改善策とはいえ目的と手段混同の剛腕発揮。副社長権力恐るべし。

先輩ロウムの結婚論、先輩らしくその言葉は鋭いところを突いている。
また、企業買収、ともすれば買収側が悪者で被買収側がか弱き善人扱いされそうであるが、そうともいえないところも触れていてHQなのに意外。
サムさんも、型破りキャラが、荒唐無稽ともいえないギリギリで成り立っている。

「流れ星に祈りを」にもあったような、メインキャラ双方ともヒロインの主張に発する何らかの成長があり、また、こちらには、二人それぞれの気付きがあり、お綺麗事だけではなくてよい。

秘書と言わず企業人は勤務先の機密情報流出は処罰物。
入手側は幸運だが。。。
買収合戦に関わる物との自覚ありながら、自宅で情報漏洩とは。彼女はサムさんの懐の大きさにより糾弾を免れたが、創業者が経営最高責任者であるから出来たであろう作りとなっていても、会社を危機に晒す行動は軽はずみ。彼が提供を要求したのではないのだから。
救われるのは、相手の素性を知った上で好きだから情報を流すつもりで伝えたのではないこと。

見目麗しく、ビジュアルも楽しんだし、邦題は合っているし、で、私はHQはこういうのは好きだ。

さて、家はヒューストンとダラスとに構えてもいいとは思うが、会議の議事録速記だなどといつの時代の話だろう。技術力で独自の地位を築く企業なら、会議は録音が当たり前と思うが!?
私はこのテープ起こしがとても大変なことを身を以て知ってはいるが、速記で長時間記録など、かなり古い時代でないとあり得ない。

「流れ星に祈って」のマックスも良かったが、この「美しい標的」のマックスも美形で楽しい。
あれから五年経っていたということだが、ロウムの妻と大きくなった娘が窓の外で遊ぶという、さりげない後日描写が微笑ましい。流れ星に祈って、の、橋本先生の方がロウムはカッコいいが、橋本先生のマックスと星合先生のマックスは甲乙つけがたい。ただ、こちらはさすがに主要人物、ロウムが脇に徹して(話の筋に絡んでこないため。一方、流れ星ーの方では対照的にマックスも話の筋にそこそこ入り込んでいるため)、マックスのキラキラが眩しい。
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