インサイドラテックス
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インサイドラテックス

西のえこ

ラテックス(手袋)越しの恋人同士

ネタバレ
2019年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大学生の守生×歯科医の郁也、医者と患者から恋人同士になった二人。「素手で触れると相手が汚れる」という強迫観念からラテックス越しじゃないと人や物に触れられない郁也。こういった症例にはまったく詳しくなく、話として正しいのかなどは分からないのでそこは深く考えず読みました。きっかけが本人にも分からないそうなのでトラウマの輪郭が掴みづらくて、外側から傍観している感じ。でも実際もそういうものなのかな。他に短編ふたつ入ってますが、総302ページで表題作は200ページ以上とボリュームあります。
「隣りの男」
隣の部屋のDV男の恋人と、ほんのわずかな間かかわりを持った冴えないリーマンの独白のようなお話。彼には普通の幸せを大切にして欲しいな。
「ライトハウスナイト」
大学時代の先輩、の親友の実家へ行く二人のお話。もっと寂しい話になるかと思ったら、ラストの甘さにキュンときました。霧が晴れた爽快感が薄暗さを吹き飛ばして、いい読後感。
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