繕い裁つ人
」のレビュー

繕い裁つ人

池辺葵

作品の空気感と職人の芯と淡い恋風味

ネタバレ
2019年2月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと気になっていて、プリンセスメゾンが面白かったので思いきって購入。
素敵です。
淡々と進んで淡々とエンディングを迎えるのがまたこの作品らしい空気感のままでいい感じです。
少しレトロな感じも感じるのは、時代設定が少しだけ昔なのかな。

職人の、職に対する真摯な向き合い方やブレない芯、職人ならではの仕事ぶり。
惚れ惚れします。
生地や服の質感とか形とか想像しながら読んでいました。
なかなか進まない二人の距離も納得です。
ぱっと恋愛に走ってしまうのではなく、まず職人としてが常に一番に来る主人公らしい。
でも、そのうち引っ付くんだろうなと。
登場人物たちはいくつぐらいの設定なんだろうかと思いながら読んでいました。

仕立ててもらえるほどお金はないけれど、自分にぴったりの服を自分のためだけに作ってくれて、メンテナンスもしてくれて。
いいなあと思いました。

読み終えてふわっと心があたたかくなるようなお話です。
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