読み応えのあるHQらしい作品





2019年2月7日
とんでもないことになった その原因を作ったのは自分、ローレルは悲嘆に暮れる。重々しい背景には彼女一人では太刀打ちできない全てのものを飲み込んで耐える日々が遺憾なく描かれている。このご時世にも●Sの脅威が轟いているから誰もが知るところと思う。そんな中でローレルはトラウマを払拭するべく行動するがカラ回ってしまい、事は起きてしまった。仕方ないとはいえ他人に成り替わらなくてはならない事態にも前向きになっているのは、空回りだったとはいえ経験の賜物であるといえる。面白いのは悪夢にうなされるローレルの夢とも現実ともわからない曖昧さ。特に占い師の老婆登場などはその最たるところ。チャールズとの関係はその曖昧さの上に成就するのかと見えたが真実(現実)が顔を出す。最後にはHQらしいどんでん返しもあるのだが、只々ハッピーエンドではなく出自と悪夢の種明かしがまた意表を突かれて、重々しさを払拭してくれるのだ。

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nyanya6 さん
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