待ち焦がれたハッピーエンド
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待ち焦がれたハッピーエンド

吉桜美貴/虎井シグマ

圧巻です

ネタバレ
2019年2月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高評価でずっと読みたかった作品をやっと読みましたが、本当に面白かった!いや、凄かった!!
起業したITビジネスが大成功し大富豪となったディーター。父親は世界的な自動車メーカーの創業者でまさしく御曹司。ディーターは冷酷非道な野心家のプレイボーイとして有名でした。女優志望の美紅(みく)はディーターの会社で募集していた秘書の採用面接に合格しましたが、秘書は表向きで、実際は偽の婚約者になることでした。戸惑う美紅でしたが破格の報酬を提示され、家賃さえままならない貧乏暮らしの現実を思い出し、契約することに。マスコミや社交界、親族に婚約者として紹介し、いとことの縁談を破談にするため、ディーターの秘書 アーロンに指示されるまま、洗練された女性に変身した美紅はディーターの所有するアイランドへ出発します。まるでハーレクインのような、誰もが羨むセクシーな大富豪の婚約者役としてリゾートへ、という展開にワクワクでした。そして、もう一つのワクワクは作者さんの表現力です。ラブストーリーのラノベはやんわり、ぼんやり、柔らかい表現が多い中、ハッとするほど的確で、鮮やかにイメージが湧く表現力に、ディーターがどれほどの男性なのかがよく分かります。また、くるくると変わる表情を見せる美紅を、掴みきれないとジリジリしている様子も。引き寄せられるように求め合う二人とアーロンの思い、父親との確執と支配。それぞれが心の奥底にしまっている部分。色々な要素が絡まりあい、息もつかせぬ迫力で一気に読んでしまいました。そしてこの表現力でのラブシーンは圧巻です。ラブストーリーというだけにとどまらない二人の結論に、ラストまで目が離せません。中身の濃い映画を見たような気分になれた作品でした!!
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