このレビューはネタバレを含みます▼
とにかく中途半端な作品。
主人公は速水さんに一目惚れし、元から主人公を想っていた後輩くんが脅してくる所から始まる物語。
そういうシチュは好きなのでどう展開していくかに期待しましたが、期待はずれでした。
後輩くんが普通にいい子で、結局無理矢理してこないどころか、速水さんとの仲を後押しばかりしてくれました。脅しは何だったのか。
そのせいで主人公は、後輩の梶くんに甘える思考になりながらも速水さんと晴れて恋人になって浮かれる。
しかしその後、今更梶くんが想いを告げてくる。
なぜ今?と思いました。主人公の為に身を引こうと思ってあんな行動になったんじゃなかったのか。
じゃあ中途半端に脅したり後押ししたり意味不明なことせず、最初からアタックすれば良かっただけなのでは…。
速水さんは速水さんで、何か裏があるのかとハラハラしました。
でも真相が分かると逆に、こんな速水さんだからこそ幸せにしてあげたいという気持ちになりました。
速水さんが悪い男だったらバッサリ切って梶くんに行くストーリーで良かったのに、速水さんもいい男だったせいで「あれ、コレどーすんの?」と読んでて不安になる雲行きになっていきました。
その不安は見事的中。
どちらもいい男だったせいで、主人公はあっちへこっちへフラフラ。どちらのことも振らない。
速水さんと上手くいかないと思ったら即、梶くんに甘えて乗り換えラブラブに。かと思えば速水さんが本心を語りに来てくれプロポーズまでしてくれたらまた、心が揺れる。
梶くんに乗り換えたくせに、プロポーズをちゃんと断らない所にびっくりしました。なんだこの女。
ラスト、起業する決意をした梶くんに「待っててくれ」と告げられ一旦離れ離れに。
その時主人公は、待てないと断ったりせず笑顔で送り出します。待つと言ったようなもの。
しかしその後すぐ梶くんが結婚したという噂話に踊らされ、慰めてくれた速水さんとヨリを戻します。梶くんへの信用ゼロ…。
結局どっちでもいいんだなこの女、と呆れました。
ラストは戻ってきた梶くんが花嫁を強奪してハッピーエンド。
速水さん可哀想すぎて泣けてくるお話でした。元婚約者はきっと一途な良い女性だったろうに…。
待っててくれてたと思いきや別の男と結婚しようとしてた最低女を未だ真っ直ぐ想える梶くんが信じられません。
主人公の魅力が理解できない物語でした。