飛翔伝説
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飛翔伝説

ひたか良

大和朝廷が制圧した民と里のスペクタクル

2019年3月8日
自分を狙う陰謀に巻き込まれた女子高生綾と、世界征服を狙って綾の力が欲しい悪の組織との戦い。
最終巻で神のパワーを表す玉が出てくるシーンに入って、この作品のその他の近似趣向のストーリーと離れて面白さを見出だすところ。

ラブは期待しないように。

爆発、血の謎、追跡と逃亡、巨大な悪を向こうに回す大立回りなど、なかなか活劇としてスリルがあって飽きさせない。次々起こる出来事をテンポよく描いているので、読み物として楽しめる。

敵も18才設定だが若さがなくて学校はどうした、という疑問や、一方綾を助ける彼の神出鬼没ぶりは正義のヒーローっぽいのに、綾の身辺警護に対する当人の納得感強いというわけ度なく、お定まりのメインキャラ同士の意地の張り合いが前半、散々何処かで読んできた気持ちにさせられる。
しかし、作品発表時期を考えるとそうとばかりも言えない、一種、このような話に、流行があったから、とも感じる。特撮ヒーロー物の味付けが入ったというか。

男性の顔が「エースをねらえ!」の藤堂さんを思い出させる。
話は篠原千絵先生の「闇のパープル・アイ」や「蒼の封印」を思い起こさせる。この「飛翔伝説」の発表時期のほうがずっと古いが。
発表時期からして、ひたか先生の創作力凄いと思う。

随分人がバタバタ殺されるので、チャンバラ物の少女マンガ阪みたいなところもある。
話は力強く拡がり、といって、収拾はちゃんとついている、古代ミステリーを楽しめる工夫を随所に感じる。
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