このレビューはネタバレを含みます▼
水島グループの総帥である貴也は、結婚に関する伯母からの干渉に辟易し、愛人バンクで時間もお金も手間もかからない女性を探すことにしました。そこで紹介されたのは、貴也よりも10才も年下の瑠香（るか）でした。瑠香は7年間の会社勤めを辞め、大学に入り直すことにしましたが、家族の事情でコツコツ貯めた貯金を使うことになり、大学入学を諦めなければなりませんでした。そんな時に愛人バンクを知ります。買う側の貴也と買われる側の瑠香という関係。貴也は瑠香を買う条件として婚約者の振りを依頼します。実は登録した写真を一目見て惹かれた貴也は瑠香を溺愛し、初めての旅行でお互いの境遇を打ち明けます。貴也の境遇を知れば知るほど、今に至るまでの様々な苦労に胸が痛みます。自信に満ち溢れたように見える貴也の弱さを理解し、丸ごと受け入れる瑠香。甘い台詞にや甘いシーンがあちこちに散りばめられていて胸キュンしっぱなしでした。終盤は貴也と瑠香の立場が完全に入れ替り、瑠香の強さと温かさが傷ついた貴也にぴったりで、もっと先まで読みたくなる作品でした。良かったです。
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