ラストセブンデイズ―天使の穢し方― 【電子コミック限定特典付き】
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ラストセブンデイズ―天使の穢し方― 【電子コミック限定特典付き】

ひつじま羊

死をきっかけに見え隠れする人のエゴ

ネタバレ
2019年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定がまず面白く「神様の子ども」に選ばれたしおんの五感が一日ごとに失われていくのがとても辛かった。しおんを汚せば神様のこどもではなくなるかもしれないと、親友である紫苑を性的に汚す伊吹の葛藤、今まで隠しきってきた汚い部分も描かれ、読んでいてかなり辛いものがありました。それをこのかわいらしい絵でやっちゃうから余計に辛い。昔からお互いを慕いあっていた子供時代のエピソード。この「事件」さえ起きなければ、現状維持のまま「親友」として側に居られたのに、皮肉にも、この残された7日間という極限の状態で、お互いに性的に好きだと気づいてしまう。なにやら哲学的な問いかけも含まれているような気がして、たっぷり考える時間がある時に読むべき本だな、と感じました。
ただ、羽が生え、天使の輪っかが浮いてきたやや天然気味のしおんは本当にかわいらしいです。
ラスト、なるほど、そうきたか!というオチで、これがデビュー作とは思えない程重いテーマが隠されている深い作品だと思いました。私はこういうタイプの作品大好きです。
でも当て馬はいらなかったな~。
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