このレビューはネタバレを含みます▼
完全に勘違いしてました。攻めである健太郎を事故から救うために湊がタイムリープするのだと思ってましたが、攻めは健太郎ではないし、タイムリープするのも湊ではないんですね。全ての鍵を握っているのが後輩の拓歩だという展開は新鮮でした。湊視点でありながら拓歩の想いにドラマを感じました。誰にも湊にさえ理解してもらえない中でのたった一人のタイムリープ。前回の失敗から学び、今度こそはと繰り返すタイムリープの中で、少しずつ成長していく拓歩が頼もしかったです。序盤の健太郎と湊の行き場のない心情は苦しいばかりですが、きっと次こそは拓歩が助けてくれるという期待もあり重くは感じませんでした。何度やり直そうと歪んだ愛情で湊を縛り付ける健太郎と、湊の幸せをひたすら願い模索する拓歩との対比が面白かった。そして終盤、タイムリープした湊が光の濁流の中で見たひとり奮闘する拓歩の姿。全てを理解した湊の「ありがとう」の言葉が重かった。途中何度も泣けましたが、3人共が幸せになれる温かいラストにまたホロリとしました。