このレビューはネタバレを含みます▼
作者さん買いだったのですが、読んでいくうちに誰が描いたんだっけ?と良い意味で裏切られました。予想していた内容と違い、新鮮でした。高校の同級生独特のピュアで真っ直ぐで不器用な空気に、切なくなります。大人になってから出会っていたら決して出ないこの空気感が、物語にすがすがしさを与えていて、胸キュン以上に切なくて、もうツボでした。
高校の同級生だった二人。同級生と言っても真面目で人見知りで自分に自信がなかった寿(ことぶき)は、女子をとっかえひっかえの地元の有力者の息子 都筑名央(なお)が苦手でした。社会人になって顧客と取引先の関係で再会した都筑くんは別人のようにデキる営業マンになっていました。一緒に仕事をしていくうちに、当時は分からなかった優しさに気付き、段々と昔の苦手意識が薄れていきます。大企業の息子故の苦しみ、哀しみに立ち向かう都筑くんの力になりたいと一生懸命に支えようとする寿の健気さが堪りません。
後半は都筑くんの気持ちを思うと切なくて苦しいくらいでしたが、何度も読んでしまいました。改めて作者さんのファンになりました。面白かった!