お転婆さんの西部活劇 面白かった





2019年4月21日
楽しいストーリー。丁寧な仕事で飽きさせず、男性のルックスを素敵に描いてテンポ良く展開する良質の娯楽作品。絵が安定している。直前に同じひかわ先生作品の「彼方から」を読んだが、「彼方から」のほうが発表が後の作品なのに、あちらのほうがどこか若い挑戦と感じる。こちらは安定ぶりが際立ち、線の選択に熟練と自信さえ感じる。
こんな風に話を転がしたら読者を乗せられる、と解った上で技量で引っ張る余裕を感じる。
ストーリーどこかで見たような気がしてしまう。多分さりげなく各エピソード繋いで、不自然さの無い場面の接続が流れを作り、結末まで唐突感なく運ばれて行くからだろう。
題材が西部劇というのは、私の漫画読み歴でも思い出せないほど、とても珍しく、かつ、ガンマンや馬の登場に嘘臭さは無い。射撃シーンもよく描けているので、そういう意味で大変に実はユニークだ。
ハーレクインコミックをよく読む私の目には、洋物なのに洋物に見えないハーレクイン作品にがっかりさせられることがあった(勿論描ける先生も大勢いらして、私は積極的にHQ世界を描ける先生の作品を追いかけては来た)。日本に見えてしまう致命的な欠点を持った絵(背景、雰囲気、建物)だと、外国の人名も地名も浮いてしまう。70年代からご活躍の先生方には、巻き毛とか長髪男子とか、かつ黒髪でないとか、作風が洋風の先生は多かった。時代が少女漫画雑誌に限らず、TVCMでもファッション雑誌でも旅の宿も洋物全盛期、外国っぽさを感じさせる画風を出せるのは、当時は重要なスキルだったかと思う。今はバタ臭さが求められることが漫画雑誌にそこまでないため、どうも日本または無国籍に見えてしまいがち。別に電話がガラ系携帯でも構わないが、漫画空間には、外国物なら「異国」を感じないと私はダメ。
ひかわ先生の世界には、読んでいるこちらに、描こうとしている世界を絵で語ってくれる何かがある。日本は日本、米西部は西部、異世界は異世界の。元は白い紙なのに、想像力豊かな物語世界ををまことしやかに見せる力があると思う。
実力ある先生とは、古今東西を描き分けられるものなのだろう。
次頁に続く時のコマの繋ぎ方に台詞の前振りが多用されて、リズムに緩急を付けている(戸惑うこともあるが)。アクションシーンはちゃんと戦いを見せつけてくれる。ピストル使いにも説得力有り。
馬の絵がめちゃくちゃ上手い!高い画力で何度も唸らされた。
こんな風に話を転がしたら読者を乗せられる、と解った上で技量で引っ張る余裕を感じる。
ストーリーどこかで見たような気がしてしまう。多分さりげなく各エピソード繋いで、不自然さの無い場面の接続が流れを作り、結末まで唐突感なく運ばれて行くからだろう。
題材が西部劇というのは、私の漫画読み歴でも思い出せないほど、とても珍しく、かつ、ガンマンや馬の登場に嘘臭さは無い。射撃シーンもよく描けているので、そういう意味で大変に実はユニークだ。
ハーレクインコミックをよく読む私の目には、洋物なのに洋物に見えないハーレクイン作品にがっかりさせられることがあった(勿論描ける先生も大勢いらして、私は積極的にHQ世界を描ける先生の作品を追いかけては来た)。日本に見えてしまう致命的な欠点を持った絵(背景、雰囲気、建物)だと、外国の人名も地名も浮いてしまう。70年代からご活躍の先生方には、巻き毛とか長髪男子とか、かつ黒髪でないとか、作風が洋風の先生は多かった。時代が少女漫画雑誌に限らず、TVCMでもファッション雑誌でも旅の宿も洋物全盛期、外国っぽさを感じさせる画風を出せるのは、当時は重要なスキルだったかと思う。今はバタ臭さが求められることが漫画雑誌にそこまでないため、どうも日本または無国籍に見えてしまいがち。別に電話がガラ系携帯でも構わないが、漫画空間には、外国物なら「異国」を感じないと私はダメ。
ひかわ先生の世界には、読んでいるこちらに、描こうとしている世界を絵で語ってくれる何かがある。日本は日本、米西部は西部、異世界は異世界の。元は白い紙なのに、想像力豊かな物語世界ををまことしやかに見せる力があると思う。
実力ある先生とは、古今東西を描き分けられるものなのだろう。
次頁に続く時のコマの繋ぎ方に台詞の前振りが多用されて、リズムに緩急を付けている(戸惑うこともあるが)。アクションシーンはちゃんと戦いを見せつけてくれる。ピストル使いにも説得力有り。
馬の絵がめちゃくちゃ上手い!高い画力で何度も唸らされた。

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