二の姫の物語
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二の姫の物語

和泉かねよし

“女王の花“の百年前のお話

ネタバレ
2019年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『女王の花』が大好きです『二の姫の物語』は黄の国で亜姫と薄星がめぐり逢う100年前のお話。二番目の姫は一番目立たず愚図姫と影で言われていました。国王陛下とは別に黄国の政治を担う当時の総理大臣のようなもの(役)の宰相には一人息子がおり名は青推。大変優秀であった青推は二の姫(愚図姫)の最も側近の教育係になるよう宰相である父から命じられる。それは姫様8歳、青推11歳の時でした。それから二人はいつも寝食を共にし青推は『この姫に叩きこんで書、数百篇。並みの頭でこなせるものではない。この姫には才がある。』(愛する心を隠しながら)二の姫を大事に育てるのでした。青推19歳、二の姫16歳、二の姫率いる軍が囮となる戦が起こります。青推はこのままでは全員死ぬ、せめて二の姫だけでも逃がさなければ…と死を覚悟し初めて二の姫に想いを告げます。(このままでは青推が死ぬ)二の姫は断固応じず『今から私が直接指揮を取る。勝機は必ず来ると信じなさい』と奇跡で勝利に導きます。病に倒れた陛下にかわり二の姫が女王に内定。純粋な二の姫は戦の時の青推からのプロポーズを心待ちにします。大国から王子を迎えいれる準備もはじまり、青推は二の姫の重荷になると隣国へ。二の姫は青推からその事を告げられ大粒の涙を流します。『おめでとうございます。新国王陛下』。儀式前、二の姫は父にこう告げます『私が新王となりますこと、どうかご容赦ください。神童と評判だった宰相の息子青推を側近につけてくれたこと。その青推が私の全てでした…青推に相応しい才が欲しいと学問をし馬術弓術を習い戦に勝とうとしました。ただ青推にほめられたかったから…』と涙を流すのでした。青推は同志にほだされます『姫さんがお前を変えたんだ。出世しか頭になかったお前が全てを捨てて…離れては駄目だと何故わからない。比翼の鳥は片翼だけでは飛べない。姫さんを置いて行くな。』泣き腫らしている二の姫の元に『姫様、嫁に来ませんか』。二の姫は三の姫にその座を譲りました。しかし5年後、益国から戻り宰相として迎えられた青推の傍らにはいつもその花のような姿(二の姫)があったといいます。青推は名宰相といわれ、およそ30年黄国をよく治めました。最後に…亜姫と薄星は今も永遠に幸せでいるのを願って終わりにしたいと思います。【個人的には薄星のあの最期は悲しすぎる…と今でも思います。亜姫と結ばれた翌日に殺されるなんて…残酷すぎます】
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