金魚の糞
」のレビュー

金魚の糞

桜田雛

桜田雛先生にしか描けない作品

ネタバレ
2019年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな桜田雛先生の作品は癖のあるストーリーですがどんな内容でも共通しているのは美しい世界観に読み手をつれていってくれることです。近親相かんものですが純粋さが全面に溢れていて全身全霊で愛し合っているのが伝わってきます。金魚ちゃんも純粋で可愛いし、幼少離れて暮らしていた双子の弟菊吉も心の優しい男の子です。金魚の母親と実父との関係がいまいち明確に綴られていませんが、物凄い憎悪から、たぶん、金魚と菊吉の父親は母親(奈々子)の実父なのではないでしょうか。それら承知の上で結婚してくれた竜二には、出産後(結婚前)姿をあらわしたときに、『大学いきなり休学したと思ったら2年もどこ行ってたんだよ!』『…子供…産んでた…双子だった…父親は…いない…知らない男とやったらできちゃった…堕ろそうかって何度も思って…できなかった…お…お腹の中で動いてたから…』『それ以上いわなくていい。オレと結婚しよう』愛する奈々子は妹を殺し、金魚は菊吉守る為祖父を殺します(ふたり警察には悟られない)金魚が突き飛ばし奈々子が植物人間になった頃から竜二が狂気を秘めはじめてくるのですが、みな愛する人を思うあまりのことなのですよね…結末は二人が愛を貫き一緒に人生をしていて救われます。
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