金色ジャパネスク~横濱華恋譚~
」のレビュー

金色ジャパネスク~横濱華恋譚~

宮坂香帆

大好きな作者さんです

2019年4月30日
現在連載中の『薔薇色ノ約束』の
名門公爵家御曹司の不知火烈と契約結婚を
することになった伯爵令嬢六条彩葉。
宮坂香帆先生の世界観が壮大で素晴らしく、
新連載がはじまりました『金色ジャパネスク』
も舞台が同じような時代なのでなんだか
とても嬉しくおもっています。
年齢が20代の烈様が大人びた男性なので
黛麟太郎が少し幼くみえますが名家の出で
ありながら芯の通った男らしくも優しい
麟太郎に凍りきった心の茉莉亜の心は
温かさに包まれていきます。母は日本人
父親はアメリカ人当初は娼婦か、わけありの場合
でしか生まれないと世間に誤解されていた
時代の混血の子。事実父親はそれっきりで
茉莉亜は父親の顔すら知りません。
祖母や母親からも恥ずかしい子と蔑まされ
読み手のこちらも不憫になりますが
心は清らかなのに自己肯定感が非常に低く、
麟太郎に誉められても受け入れる事が
できません。
茉莉亜は髪は輝く金色、目は覚めるような
美しい青い目をしており容姿も美しく
綺麗なのに茉莉亜は呪縛にかかり鏡を見る度、
自分の容姿を恥じて暮らす日々。
前髪は鼻まで伸ばし目を隠し、髪は毎日
墨で真っ黒に染めて外出をします。
ある日、アクシデントで麟太郎の前で池に
落ちた(正確には助けた麟太郎も一緒に落ちる)
茉莉亜をみて麟太郎は真実の姿に驚きます。
髪は金色、濡れて額のでた顔からは
美しい目をしたお人形のような茉莉亜が
いたからです。思わず『人魚姫(美しい)の様だ…』
とつぶやく麟太郎を突き飛ばし
醜態を晒したと悲しい気持ちで帰宅した
茉莉亜のズブ濡れの姿をみて母親は心配する
どころか、誰かにその姿をみられやしなかったか
心配します。
こんな家、早く素敵な人を見つけて
でた方がよいですね…。
麟太郎が段々と茉莉亜の行動、不可解な言動
の根底にあるものに気づきはじめてきてくれて
いるのが救いです。

麟太郎は、茉莉亜に恋をしているのだと思います。 もちろん、茉莉亜は麟太郎の事に
恋心をもっていますが自分に自身がなく
オドオドしていて、ましてや麟太郎を
好きと思うことすら分不相応と思いこんでいます。

麟太郎の愛が、これから茉莉亜を解放して
安心できる居場所をあたえてくれる
唯一の方法かな、とおもっています。
スローペースな展開なので時間がかかり
そうですが今後の展開とても楽しみです。
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