このレビューはネタバレを含みます▼
以前、この方の作品は数点ですか読んだことがあります。
お相手が何を考えてるのかわからない人物設定で、でも異様に主人公に執着しているという不気味な方が多く…主人公の気持ちを置き去りにして事を進める傾向があったので、ついていけなかった記憶がありました。
その記憶から高評価ながら手を出すのを躊躇ってました。
ですが、良い意味でかなり裏切られました。
お相手のアーサーも最初は主人公の気持ちそっちのけで事を進める傾向があったのですが、その後の出来事を経ての主人公の心情の変化がすんなり入ってきて、好感を持てるように変わっていったのは大きな要素でした。
傲慢さを見せつつも、主人公に翻弄されてるアーサーも可愛かったです。
後半にはきちんと相手を想う故の行動や信念も描かれていて、言うことなしです。
元気のいい樹里のような主人公も新鮮でしたし、周りの人との掛け合いも生き生きと面白くて好感が持てる人物で良かったです。
そしてすべての登場人物が立っていることもそうですが、物語展開が絶妙に面白いです。
どうなるのだろうと引きずり込まれる展開で、久しぶりにこんなに面白い話を読みました。
じっくり読み込むというよりは、出来事の移り変わりが早くテンポ良く読める作品です。
長編は今作品が初めてでしたが、他も読みたいと思いました。