このレビューはネタバレを含みます▼
前半は「人質同然で嫁いできた妃は実は皇帝の探していた命の恩人だったので、正体がわかってすぐに皇帝は妃を溺愛するようになりました」という内容。
後半は事件パートだがこの事件、皇帝にも妃にも一応見せ場はあるものの、主軸の恋愛には原因も解決もほぼ関係が無い。もしこの作品が皇帝主人公の中華宮廷モノであればそっち系定番のエピソードでそこそこ面白かったとも思うが、皇帝と妃の恋愛小説の起承転結に必要だったかと言われるとかなり疑問。端折られた皇后冊立への紆余曲折の方などを詳しくやった方が恋愛小説らしかったのでは?
また中華風の名詞にブラウスやらドロワーズやら西洋風なルビを振ることで雰囲気を損ない中途半端な印象になっているのも気になった。こういうのは読者の知らなそうな単語であろうと勢いで押し切って読ませてしまった方が、世界観に浸れて良いと思う。