このレビューはネタバレを含みます▼
最終的には、2人は美男美女カップルであったらしいので、与六が逃げたことで佐助と出会って、ハッピーエンドとなって良かったね、と思いました。誰の心にも鬼になったり鬼を生み出したりする要素はあるのではないか、そう思わせる作品です。
丸木先生の小説はこれで3冊目ですが、毎回その深さに驚かされます。今回は、あえて「涙」という言葉を使わずにそれを表現している箇所があり、与六の過酷な生い立ちに「涙」を意識することのなかったほどの辛さがあったのではと思ったりしました。嬉し涙も悲し涙も、佐助に出会ってから知った与六だったのでは。