このレビューはネタバレを含みます▼
きれいな絵に惹かれて読み始めました。
物語も興味を最終巻までグイグイ引っ張るものです。
この作品は本筋も面白いのですが、人間の性質をとてもうまく言葉で表現しています。これを読めば、極端に言えば、なぜ人はメンタルヘルスに陥るのか、復讐する人間の心理まできっちり「言葉で」描かれています。そして「そこ」から逃れるにはどうするのか、実に客観的なセリフが並んでいます。
生育環境によりどのような偏りができるのか。
復讐とは自身にはメリットの無いことであり、復讐する人間は「生きる目的が復讐である」という最大級の依存と現実逃避だということです。
自分自身でも人生に躓き、深く自分を探った経験があるので、作家さんのメッセージはとてもわかりやすく共感できました。何より、それを受け取り角度を変えてゆくのは「気づき」という自分しかいない訳です。
欲をひとつ言えば、花音さんのお母さんはどうなったのでしょう?そこだけ気になりました。
そして似ていたのは亜里子ちゃんと蛍はわかるのですが、桐太くんと英治さんではなかったのか?と、ちょっとそれはわかりませんでした。
絵もきれいでストーリーもよかったです。