このレビューはネタバレを含みます▼
作者さんの作品をいくつか読ませて頂いてますが、今までで一番良かったです!そしてタイトルからもっとイチャイチャラブラブな内容かと思っていましたが、全く想像出来なかった内容に驚きでした。
祖母が亡くなり二人暮らしだったみちるは家業の銭湯を続けるかどうか迷っていました。そんな時に砂浜に行き倒れていた謎の男性 久世さんを拾います。久世さんはお金もなく身元を証明するものもなく、なぜ倒れていたのかも話さず、みちるは戸惑いますが、久世さんを従業員として雇うことにします。口数が少なくミステリアスな久世さんに警戒しながらも、徐々に距離を縮めていく二人は肌を合わせるようになります。エロいシーンも幸せというより、二人はそれぞれに寂しさを漂わせていて、その寂しさ埋めるような、切羽詰まっているような関係で、読んでいる側も切なくなります。終盤いよいよ久世さんの素性が明かされます。それまで久世さんsideが一切無いので、久世さんからのfaxがとても貴重に思えました。それまでの出来事一つ一つに納得がいき、同時に胸が痛み、お坊さんの話が心に沁みます。そしてその後が本当に素敵で、優しく愛に満ち溢れた二人に胸がいっぱいになりました。読み応えのある作品でした。面白かった!