復讐婚
」のレビュー

復讐婚

山野辺りり/ウエハラ蜂

復讐婚の本当の意味

ネタバレ
2019年6月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインの父の罪がどのようなものかぼんやりとしか描かれておらず、ヒーローの、両親を死に追いやられた苦しみや、憎き男の娘であるヒロインに惹かれてしまう苦悩が表面的な描写なので、「もしかしたらヒロイン父は無罪で、ヒーローは復讐心からヒロインを痛めつけたことを激しく後悔する羽目になるんじゃないか」(同レーベルの「初恋の爪痕」展開ですね)とどこか期待していたのですが、結局ぼんやりしたまま、どんでん返しもない、言葉そのままの復讐婚でした。敢えてどんでん返し的な場面を挙げれば、ラスト近く、監獄のシーンですかね。本当の「復讐婚」の意味はこれだった、という。インパクトは薄いですが。実はヒーローの策略をヒロインが気付いていたような……?というラストもソーニャらしい。ただ、山野辺さんの過去の力作をほとんど読んでいる読者としては、どこか物足りない作品でした。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!