このレビューはネタバレを含みます▼
麗奈の会社の専務は優秀な上に爽やか好青年で女子社員から大注目される存在でしたが、素はホステスだった母親に捨てられた過去があり、言い寄る女性を信用していない、毒舌青年でした。麗奈は家庭の事情で、夜は叔母の店でホステスのアルバイトをしていましたが、お客として専務が現れ、麗奈が相手をすることに。そして目覚めると麗奈は専務 俊の部屋にいました。ホステスを嫌う俊は言いたい放題で麗奈を傷付け、麗奈は俊のあまりに失礼な態度に激怒します。麗奈を嫌っているはずなのに無性に気になってしまい、何かと関わってしまう俊。自分自身の行動が分からずにいましたが、それが麗奈を好きだからこその行動だったのだと気が付くと態度は一変し、狙った獲物は逃がさないとばかりのアプローチが始まります。麗奈sideが主かと思っていましたが、読んでいるうちに主は俊sideではないかと思えてくるほど、俊の気持ちの変化や不器用な性格が良く分かり、正に取扱説明書。俊は気難しくて要取説な人物でした。麗奈の方は家族を支えるために働き詰めで頑張っていましたが、だからと言って父親を許せる訳でもないという気持ちも人間くさくて良かったです。周りの人達が世話を焼きたくなる二人。飽きさせないテンポ良い展開で、人はどのようにしてお互いを知り、嫌いな人と理解し合うのか、そんなちょっと深いラブストーリーで面白かったです。