このレビューはネタバレを含みます▼
踊り子 アティファと王太子 ラシードのラブストーリーもさることながら、アティファの義父と実父の関係など男性同士の男気あふれるやり取りも見所でした。
踊り子を毛嫌いする王太子のラシード。踊り子どころか王太子の後宮は空っぽで、それを心配していた宰相の計らいにより、踊り子アティファが寝室に送られます。ラシードは激怒し、失敗するアティファ。アティファの知らないところでアティファの義父と国王の間で話が決まり、アティファはしばらくの間後宮に留まります。ラシードが飼っているエネルフが溺れたところをアティファが助けたことから、ラシードとアティファの距離は徐々に縮まっていきます。アティファは明るく朗らかで自分のことよりも他人を思いやれる女性でした。心を許し始めたラシードのツンデレ具合が微笑ましく、アティファのことが好きだと自覚してからは胸キュンの連続でした。そしてアティファが忘れてしまった過去の記憶も戻り始めます。アティファを取り巻く人々、とりわけ義父母は主君から大切な娘を託され、誠心誠意慈しみ育てられたのが良く伝わってきて、この夫婦が仕えていた国王と王妃はどれ程の人物だったのかと思わずにはいられません。生前の姿が少し登場しますが、それだけで心を動かされる思いがします。後宮が空っぽだった意味にもジーンとしましたが、ラストでラシードが義父にこの国を訪れた理由を聞くやりとりには思わずウルッとしてしまいました。
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