このレビューはネタバレを含みます▼
短いページ数でも無理なく激甘なラブストーリーを書く作者さんだと思いますが、今回は激甘ではありましたが、いつもより手を広げすぎたのかモヤモヤが残るストーリーでした。フランスでの出会いからすぐに良い雰囲気になった奈々と志貴にワクワクしましたが、連絡が取れなくなり別れてしまった二人は数年後に社長と従業員という立場で再会し、またワクワク。一目で志貴と分かるほど、奈々は志貴を忘れられずにいましたが、社長と従業員という立場に戸惑います。志貴の方は立場などお構いなしにモーレツアタックを始めます。以前別れることになってしまったのもすれ違いが重なってしまっただけで意図したものではなかったこと、連絡が取れなくなって再会する今日までどれ程奈々を思っていたかを切々と語り、この時点で胸キュンでした。でも奈々は立場の違いに戸惑い、また、志貴の妹を恋人と勘違いし拒否します。ようやく恋人ではなく妹だったと分かると、今度は自分では役不足だと言って拒否します。志貴はその度に奈々の気持ちを解そうと頑張ります。やっと気持ちが通じたのに、今度は同僚に脅され、友達に誤解され、志貴の祖母である会長や妹から別れるように言われ、奈々は別れることを決断します。またも志貴に黙って去る奈々。志貴に同情し、あの頑張りは何だったのかと気の毒になりました。そしてこの辺りから急に駆け足気味になり、ラストはいきなりの円満解決。あんなに攻撃的だった友達の態度がコロッと変わり、結婚に反対していた会長や妹の態度がコロッと変わり、急な展開についていけずモヤモヤばかりが残りました。