君だけは思い出にしたくない
」のレビュー

君だけは思い出にしたくない

吉桜美貴/上條ロロ

ハズレ無し

ネタバレ
2019年8月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いでしたが毎回ハズレ無しです。大きな事件があるわけではないのに(というか既に事件は起こっていて)先を読まずにはいられませんでした。適切に選ばれる語彙によってそのシーンが鮮明に浮かび上がり、描写がない場面でさえも映像が見えてくる素晴らしい文章を堪能させて頂きました。特に二人が愛し合うシーンは圧巻で、読んでるだけでへとへとです😄💦 時代の寵児と言われるほどに注目を浴び、罠にはめられ、一転して世間から追われ、誹謗中傷を浴びせられる立場になってしまった遼介に救いの手を差し伸べたのは叔母の礼子でした。社長の礼子の命令でハウスキーパーの凜花は住み込みで遼介のお世話をすることになります。遼介の現状に、SNSによる不特定多数の見えない相手からの攻撃や干渉、情報化社会の恐ろしさが伝わってきます。それでも自分の喜びに従って生き、それに伴うネガも受け入れる強さを持つ遼介の言葉が深かったです。対する、若いうちには分からない、年輪を重ねたからこその礼子の言葉、整形外科の先生の言葉、そして凜花の母の言葉にジーンとしてしまいました。終盤は初対面の頃からは想像出来ない程の丸裸のプロポーズの言葉にジーンとしてしまいました。読んで良かったです!
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