このレビューはネタバレを含みます▼
17歳の1年間限定で12の災厄が降りかかることになった普通の高校生・育実と、
育実が受けた災厄が全て自分に転移するために育実を守ろうと同じ高校に転校してきた千隼のお話。
キャラも良いし設定も面白いし真相や結末が気になって続きが読みたくなるのですが、
どうもキャラの動きや展開に違和感を覚えるところが多数。
読者をやきもきさせるために、謎を残す演出だとは思うのですが、
しっくりこない展開がいっぱいです。
例えば、1巻冒頭は育実の夢から入ります。
育実の夢なのでモノローグは育実の心の中の声のはずです。
なのに、冒頭のモノローグは結果千隼のものでした。
夢の中でなかったら分かります。
あるいは夢の中でもモノローグ使わず、セリフだけなら分かります。
でもそうでない。なんか違和感です。
育実に起こる災厄の事実は、両親が早くに亡くなってしまったため、
母親から聞くことが出来ず、千隼から初めて聞くことになります。
一方、育実の育ての親となった従兄弟伯母は、それを知っていて息子(和にぃ)にはこっそり教えます。
いやいや、そんな重要なこと和にぃでなく育実にそもそも知らせておくべきでしょうと。
それをしないのは単に展開的な都合なのでしょうが、行動が自然でありません。
5巻で千隼は、秘密を知っていそうな久遠寺にヒントを要求します。
その理由として「生きて、守りたい奴がいる」と言いますが、
そもそも千隼が育実を守ってることは、久遠寺公認です。
なのでセリフは「俺は生きて、育実を守りたい」となるのが自然です。
なぜ守りたい人の名前を伏せたのか意味不明です。
代表的な違和感を記載しましたが、こういう違和感が他にもあちこちにいっぱいあります。
なんだかモヤモヤします。
1巻209ページ、2巻177ページ、3巻176ページ、4巻179ページ、5巻179ページ、6巻169ページ。
追記:もやもやすると書いてる割に
とっても続きが気になるのは間違いなくて、
なんだかんだと買い続けています。
他の作品では飽きて途中で終わってるのがけっこうあるのですが、
これはまだまだ続きが読みたい。
というわけで、★4から★5に変更しちゃいます。
7巻240ページ、8巻235ページ。