ヘブンノウズ
」のレビュー

ヘブンノウズ

英田サキ/奈良千春

個別シリーズ作品が集約されました

ネタバレ
2019年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズとして別タイトル扱いでそれぞれ独立して配信されていたものが集約され以前のページが見れなくなったため各々にしたレビューを纏めました。そのため長文です。
【1作目】 全227ページ。イラスト有り。34歳×21歳。由緒正しい家柄の人気小説家にイラストが見初められイラストレーターとして起用されることからはじまり、明るい話ではなくサスペンスミステリーホラー要素が入った現代ものです。表紙だけだとファンタジーのようにも見えますが舞台は現代日本です。表紙は雰囲気にぴったりです。元々シリーズものとして作られているため総ての要素が駆け足にならず丁寧にゆっくり進みます。他レビューにもありますが受攻の関係もじわじわ進みエロシーンも致すまではしないので読む前はどうかなと思っていましたが、いざ読んでみたらむしろそれが良かったと言えます。致さなくても色気ある文章で作者様の描写に楽しませてもらいました。
【2作目】全260ページ。1作目からの時間経過は1週間後位からはじまるため置いてきぼり感なくスムーズに続けて読めました。受攻の関係も少し変化があります。長編ものあるあるですが、まだ2作目で攻と受がくっつく前だと様々な事情が想像できるにしても攻が大人の狡さというか適度にクズで受が不憫なのが醍醐味として個人的には好みな展開です。
【3作目】 全183ページ。前作の終わりから1週間半後位からスタートでここまで年齢に変化はありません。2作目にもまして攻が駄目で脇役な薫の格好良さが際立ちます。脇役が魅力的すぎると読み手としては攻がいまいちになりがちですが、このシリーズは攻も魅力を失わないのが巧いです。サブタイトルの赦罪が謝罪と読みが同じと作者様も書いており、なるほど読了後に思い返すと秀逸だなと思いました。
【4作目】 全223ページ。最後までしっかりまとまっていて読後の満足度が高かったです。シリーズ通しページ数に対して金額が高めですが購入して後悔はなかったです。謎解き部分も本格ミステリーではなくラノベですので予想はつきましたが文脈や展開で楽しく読めました。今作だけ作者様のあとがきがなく残念でしたがシリーズ完結として蛇足なく物語の終息で終わるのも潔く思えます。なにより読後そのまま世界観に没入したまま浸れます。イラストは1作目からずっと雰囲気のある文章中のイメージを描いたような絵で作品によくあっていて良かったです。
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