色褪せない





2019年8月19日
もう20年近く前の作品。少女漫画のありきたりな王道ストーリーにいい加減辟易していた20代後半に出会い、ある意味衝撃を受けました。当時まだTLというジャンルがさほど確立されていなくて、この作品の激しい性描写はセンセーショナルでしたが、それも含めて圧倒的な物語性に引き込まれました。本来のTLはこうだったんですよね。年齢やタブーをあっけなく乗り越えてしまうほどの、飢えて傷つけあって苦しんでもなお燃えさかる愛は、体を繋げるという行為でしか確認しあえない。だから性描写を避けられない。今は性描写そのものが目的になっている作品が多いですが、当時の冬森さんの、物語のためには怖いもの無し、と開き直って真正面から愛と性を描いたこの作品は、未だに全く色褪せません。折に触れ何度も読み直しています。

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