デンパ男とオトメ野郎
」のレビュー

デンパ男とオトメ野郎

井上ハルヲ/小山田あみ

警察モノというには違和感

2019年8月20日
警察内部の描写や設定が良いとの高評価で購入しましたが、期待とは違いました。相棒や臨場などのドラマや警察小説ほど作り込めとは言いませんが、圧倒的に物足りない。読者としては、警察という組織の構造がうみだす奥行き、受と攻の間に立ち塞がる一般人のそれとは異なる壁…!みたいなものをイメージしたしそれを狙った設定だと思いますが、設定負けしてます。まず登場人物が少なく関係も希薄、組織特有の熱さも台詞ばかりでは説得力がありません。臨場言ってるけど現場描写も少ない。警察官のふりした詐欺師同士でも同じような会話ができそうです。2巻も買ってしまったので読みますが、個人的には文章の癖も気になりました。地の文で西村柏木言い過ぎ。会話が多いからテンポ重視かな?と思ったら喋り口調のテンポも悪い。地の文がきたと思ったらまた西村柏木が主語目的語で「見上げた」という重要でもない動きの描写。ト書きか?台詞は「~しているか」と丁寧に喋って地の文が「楽しそうに」と砕けるなど、印象がちぐはぐ。心の声でよい部分も全部喋るのでやたらとクサイ。などなど…ミュージカルを速記して文字おこしした感じでした。
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