美しい彼
」のレビュー

美しい彼

凪良ゆう/葛西リカコ

気持ち悪い攻めが好きです。

2019年8月28日
作者あとがきに出てくる言葉です。私も好きです。気持ち悪い攻めが。大好きです。
基本小説は一回読んだら終わりなのですが、このシリーズは最新巻が出るたびにはじめから読み返しています。
一巻は二人の出会い高校生からです。スクールカースト頂点の清居と底辺の平良が徐々に近づく様子が丁寧な心理描写で描かれています。主人公は平良で、美しく孤高な存在である清居を特別視して執着していく様子は狂信的でゾワゾワします。後半に清居視点が入ることであー、清居くんも普通の男の子なのね、と読者にはわかるのですが平良にはわからないよね。わかろうとしていない。わからない状態二巻まで続きつつ二人も精神的に成長していきます。三巻でようやく2人とも一皮向けて人間同士のお付き合いが始まる、という感じです。
私の拙いレビューでは伝えられないですがBL抜きにしても思春期から大人に向かうジリジリとした圧迫感や孤独感を細かい描写で追体験できる神作だと思います。

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