このレビューはネタバレを含みます▼
妹を遠ざけていた慧×兄を突き放せなかった芳彦。肉親の縁が薄く孤独だった二人が、それぞれたった一人の肉親の死によって出会い、残された子供・天を育てながら家族になっていくお話。こう書くとほのぼの家族もののようですが、かなり重くてシリアスな側面が。家族と向き合うことから逃げて、孤独や痛みを見ないフリでやり過ごしてきた二人が切ない。なんといっても兄に報われない情を注いでは踏みにじられてきた芳彦の境遇が辛すぎる。あんなに痩せ細って…あの体を見るだけで胸が痛みます。兄はどうしようもないけど、間に入った鉄雄がまだましだったのが救いかな。自分と向き合い、恋人として家族として、一緒に生きる覚悟を決めた彼らが幸せになれますように。辛い展開でも天の笑顔が一番の癒し!ふくふく可愛い。愛情をたっぷり受けて、すくすく育って欲しいなあ。