このレビューはネタバレを含みます▼
カレンツ一の美女と呼ばれるヒロイン。総督の側近の父に強引に結婚を決められてしまったが、どうしても受け入れられない。婚約者は狭量で粗野な総督の息子。ヒーローは、赤ん坊の頃、谷間に流れ着いたところを保護され、司祭に育てられた。各地を転々としてきたので、様々な国の言葉や文化を知っている。ヒロインは亡くなった祖父が異国の文字で書いた本を読む為、無銭飲食で投獄されていたヒーローに教わりに行く。
囚人のヒーローという事で、最初、野性的で荒々しい印象がありましたが、徐々に、博識な紳士で包容力があることが分かります。
監獄での授業や、残酷な婚約者によって傷つけられてきたヒロインの心を癒したいと、あれこれ考えてくれるところが、ロマンチックなんだけど官能的で良かったです。
恐怖心で勇気が挫け、支配されてきたんだという事にヒロインが気付き、立ち向かおうとしたり、ヒーローが独裁に怯える人々に、何故全てを黙って見過ごしているの?と問いかける場面には強く心を打ちました。
お話の中で何度か、もう駄目なんじゃないかとか、こんな状況ならあきらめた方がいいんじゃないかなんて、私自身が思ってしまっていたので…。
いくつもピンチを乗り越え、ひっくり返していくヒーローが頼もしく、色々考えさせられる作品でした。
一番すごいのは、ピッポかもしれませんが…。
レビューで不評なヒロインのさん付けですが、敬語キャラなのかな?と受け止めていたので、私はあまり違和感は感じませんでした。(ヒーローが敬語キャラの方が好きですけど…。)
とてもドラマチックなお話です。