祓い屋・木津恵信の荒ぶる性欲
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祓い屋・木津恵信の荒ぶる性欲

七川琴/

受けの好みが合えば

ネタバレ
2019年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつもながら攻め側の心理状態の描写が細かく書かれてますが、今回は背負っているハンデや主人公の持っている能力は現実離れしたものになってます。

私は前2作も設定や書かれ方も含めて好きですが、主人公の内面描写やぶち当たる壁が現実的で、その描写をくどく感じる人もいるかもしれなかったので、今回の設定での呪いを背負っていて変身する点や、特殊能力が出てくることで、逆に主人公の心理描写の重さをマイルドな印象にしているなと感じました。
ただ全体の文章がしっかりされているので、主人公が変な呪いにかかっていてもとんでも設定感は薄いです。
設定要素は現実離れしていても、実際に感じる劣等感やジレンマ、不甲斐なさなどの書かれ方は共感性羞恥を感じるとこもあったのですが、そのため性癖的にもど真ん中でキャラ的にも光で救いになる受けの存在は大きく主人公と共に私にも救いになりました。

ふわっと抽象化された文ではなく言葉の選びが具体的でしっかり語られるような文の印象です。

攻めの視点で話が進んでいくので、攻めから見える受けの描写も多く自分の性癖どストライクなとこは良かったですが、欲を言うともう少し受け側からの描写も読みたかったです。
受けの方がガタイがよく情のある短髪髭の年上が好きな方は是非。
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