オトナの恋はこじらせる
」のレビュー

オトナの恋はこじらせる

安タケコ

粗さ硬さ不自然さあるけれど、何より楽しい

2019年10月14日
私には絵の輪郭(目ぢから?)が強すぎるのだが、そして、赤面などの表情の表現が少しはっきりし過ぎの感じがするのだが、このジャンルに期待するものは含まれてた。
主人公の性格を押し出し過ぎな描写もある。展開に作り話上の偶然や、あるあるの 名前何度も間違える、など作り込みのイヤらしさが少し。

それでも、パワーを感じる作風で無難に乗り切っている。そこまで激し目に描かなくても、さりげに読み手に受け取らせる表現も使ってくれると、私の感じる、ちょっとゴリッとした感触は和らいでくるのかも。

試し読みを、これ迄何回してきたことか。
安先生は初めてだったから。
今回のまとめ買いのクーポンが背中を押してくれた。
今少し独自色のほしい展開と、人物の存在感(あく)の濃淡とがあればな、と思う。

インパクトのある線が、人物の整った顔立ちとぶつからず、時間を描けた印象に好感が持てる。室内がキチンと描写されてるというのも私の目にはポイント高いところ。
特に製作時期が古いという最後に収録された作品、先生が漫画界でサバイバルしている理由をそこに見た気がする。題材の際どさをそこまで下品に落とさず、ラストに至る迄の中間エピソードに爽やかさを打ち出して、クライマックスには主人公キャラを生かして暴れさせて、物語ご都合主義はあるものの、面白く読めた。なので、これからも注目しようと感じた。
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