イエスかノーか半分か
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イエスかノーか半分か

一穂ミチ/竹美家らら

描写力が素晴らしい

2019年10月19日
普段ライトノベルというか、キャラ小説(?)は読まないのですが、この作品にははまってしまいました。

ふたりの人間が出会い、恋をして、唯一無二の存在としてお互いを想うようになる、その描写がすごく丁寧。

特に潮の過去が明かされる三巻目「おうちのありか」には泣きました。「おうち」を失くしてしまった潮の孤独が切なくて、不器用ながらその孤独に寄り添おうとする計の健気さにはきゅんとしました。

あと、恋愛小説でも決して恋に溺れてはいないところも良いです。ふたりともちゃんと社会人してて、お仕事に向き合ってる姿が人としてかっこいい。

BLを読み慣れていないので、濃ゆ〜いベッドシーンとかには「おぅ…」って感じでした(笑)。が、引きつけるストーリー展開、微細な描写、魅力的な登場人物に大満足。とっても素敵な小説に出逢えました。短編集の「off air」もおすすめ。
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